AT模擬試験には、新カリキュラム用と旧カリキュラム用の2種類があります。この記事は新カリキュラムでCBT理論試験を受ける方に向けて、AT模擬試験の活用法、とくに五肢択二(2つ選べ)対策への使い方を整理したものです。新カリ・旧カリは受験者が選べるものではなく、どちらの養成講習会・養成校を受けているかで決まっています。ここでは2025年度の日本スポーツ協会(JSPO)公式データと出題内容レポートをもとに、模擬試験を「解いて終わり」にせず得点力へつなげる具体策を紹介します。
まず確認:あなたが受けるのは新カリ?旧カリ?
「AT模擬試験」で検索すると、旧カリキュラム対応の筆記模擬試験ページにたどり着いてしまうことがあります。これは検索エンジン上の導線の問題で、新カリキュラムと旧カリキュラムでは試験の形式そのものが違うため、教材も別々に用意されています。誤った教材で練習すると、本番の形式に対応できず時間配分を崩しかねません。まずは自分がどちらのカリキュラムで受験するのかを確認してから、該当する模擬試験を使いましょう。両者の違いは新カリと旧カリの違いを比較した記事で試験構成・受験期間・合格率までまとめています。
| 旧カリ(筆記模擬) | 新カリ(オンライン模擬) | |
|---|---|---|
| 試験の順序 | 理論試験→実技試験 | 実技確認テスト(全カテゴリー合格)→理論試験 |
| 理論試験の形式 | 筆記中心 | CBT(五肢択一・五肢択二混在) |
| 対応する模擬 | 筆記模擬試験 | ATオンライン模擬試験 |
新カリキュラムで受験する方は、旧カリ用の筆記模擬ではなく、新カリ用のオンライン模擬を使ってください。まずはATオンライン模擬試験(新カリCBT対応)で、本番と同じ形式を確認しておくと安心です。ここから先は、新カリキュラムの理論試験を受ける方向けに、模擬試験の具体的な活用法を紹介します。
なぜ模擬試験が必要?新カリ理論試験の合格率
模擬試験が重要なのは、新カリのCBT理論試験が数字の上でも難しいからです。日本スポーツ協会(JSPO)の公式発表による2025年度の新カリ理論試験の合格率は、次のとおりです(受験者数・合格者数の実数)。
| 時期 | 基礎 | 応用 | 全体 |
|---|---|---|---|
| 2025年春 | 18%(合格19/受験107名) | 26%(合格26/受験100名) | 18%(合格21/受験118名) |
| 2025年秋 | 21%(合格35/受験169名) | 33%(合格53/受験159名) | 20%(合格36/受験180名) |
一方で旧カリ2025年度の理論試験は全体67%(基礎72%/応用72%・受験1,375名)でした。同じ「AT試験」でも新カリと旧カリでは難易度の体感が大きく異なることがわかります。だからこそ、本番形式で解き慣れる模擬試験の価値が高いのです。より詳しい数字は合格率18%で読み解く難易度の記事で解説しています。
そもそも五肢択二とは?なぜ落としやすいのか
新カリの理論試験は五肢択一だけでなく、五肢択二(2つ選べ)が混在します。五肢択二は「5つの選択肢から正しいものを2つ選ぶ」形式で、2つとも正解して初めて得点になり、部分点はありません。1つは確信できても、もう1つで迷うと丸ごと0点になるため、五肢択一より取りこぼしが起きやすいのが特徴です。両者の違いを整理すると次のようになります。
| 項目 | 五肢択一 | 五肢択二 |
|---|---|---|
| 選ぶ数 | 5つから1つ | 5つから2つ |
| 部分点 | なし | なし(2つとも正解で得点) |
| 取りこぼしやすさ | 比較的低い | 高い(1つ迷うと失点) |
| 有効な解き方 | 消去法 | 消去法+「2つを確定させる」視点 |
出題内容レポートでは、複数の合格者から次のような傾向が報告されています。
解答は『2つ選べ』が多い印象です
——新カリキュラム受験者の出題内容レポートより(複数の回答者が同様の傾向を報告)
正確な出題比率は非公表のため断定はできませんが、五肢択二への対策は外せません。しかも新カリでは新作問題も出るため、過去問の暗記だけでは五肢択二に対応しづらい面があります(この点は過去問だけでは対策できない理由の記事で詳しく解説しています)。ここから、模擬試験を使った具体的な鍛え方を3つに分けて見ていきます。
模擬試験の活用法①:五肢択二(2つ選べ)に慣れる
模擬試験で五肢択二を繰り返し解くと、「2つとも確定させる」感覚と、消去法の使いどころが身につきます。おすすめの解き方は次の手順です。
- まず明らかに誤りの選択肢を消去して候補を絞る
- 残った選択肢から確信できる正解を1つ確定させる
- 最後の1つは、他の選択肢と「どちらがより正しいか」を比較して選ぶ
- 迷ったら印を付けて先へ進み、見直し時に戻る
この流れを模擬で反復すると、本番で焦らず2つを選び切れるようになります。解き方の具体的なコツは五肢択二の解き方(消去法4ステップ)の記事にまとめているので、模擬と併せて読むと効果的です。
模擬試験の活用法②:80問120分の時間配分を体に入れる
新カリの理論試験は基礎・応用とも80問120分で、単純計算で1問あたり1分半しかありません。知識があっても、五肢択二で迷って時間を溶かすと最後まで解ききれません。模擬試験を通しで解いておくと、「迷ったら印を付けて先へ進む」「後半に見直し時間を残す」といった時間戦略を、本番前に自分の体で確かめられます。合格者からはこんな声もあります。
ラインですぐ開ける問題はサクッとすぐできてよかったです。
——新カリキュラム合格者の声
スキマ時間に少しずつ問題に触れておくことも、本番のスピード感に慣れる助けになります。
模擬試験の活用法③:科目合格制を意識して弱点を可視化する
新カリは科目合格制で、基礎・応用それぞれ7割以上が必要です。片方だけ合格した場合、次回は残りの科目のみを受験料半額(11,000円)で受けられます。つまり、限られた時間を「合格まで遠い方の科目」に寄せる判断が合否を左右します。模擬試験で科目ごとの正答率を出せば、どちらに時間を投下すべきかが一目でわかります。次の合格者の声は、まさにこの弱点対策で結果を出した例です。
1回目は基礎が落ちてしまいました。今回2回目で、しっかり対策して挑んで無事合格しました!!!
——新カリキュラム合格者の声
また、模擬は「解いて終わり」にせず解説まで読み込むことが大切です。ある合格者は「しっかり知識をインして、暗記ではなく理解することの出来る説明文や解説は役立ちました」と述べています。正誤だけでなく、なぜその選択肢が正しい/誤りなのかを理解へつなげる使い方が、五肢択二の得点力を底上げします。
- 五肢択二に慣れる——2つとも確定させる感覚を反復で身につける
- 時間配分を体に入れる——80問120分のペースを本番前に確認する
- 弱点を可視化する——基礎・応用の正答率から投下先を決める
新カリの教材全体像を知りたい方へ
模擬試験と合わせて、新カリの理論試験対策に何が必要かを知りたい方は、新カリ対策教材の選び方と比較も参考になります。ATコースの受験可能期間は初回受験から4年間ですので、早めに本番形式へ慣れておくほど有利です。

よくある質問
新カリの人はどの模擬試験を使えばいいですか?
新カリキュラムで受験する方は、新カリCBTに対応したオンライン模擬試験を使ってください。旧カリ用の筆記模擬は試験の順序(新カリは実技確認テスト→理論試験)や五肢択二を含むCBT形式が異なるため、新カリの練習にはなりません。検索から旧カリ用ページに着いてしまうことがあるので、リンク先が新カリ対応かどうかを確認してから使いましょう。
五肢択二の対策はどうすればいいですか?
五肢択二は2つとも正解して初めて得点になり、部分点がありません。誤りの選択肢を消去してから、確信できる1つを確定し、最後の1つを比較で選ぶという手順を、模擬試験で反復して身につけるのが有効です。迷った問題は印を付けて先へ進み、見直し時に戻る運用も本番前に練習しておきましょう。
新カリ理論試験の合格率はどのくらいですか?
日本スポーツ協会(JSPO)公式発表によると、2025年度の新カリ理論試験の合格率は春が全体18%(合格21/受験118名)、秋が全体20%(合格36/受験180名)でした。科目別では基礎が春18%・秋21%、応用が春26%・秋33%です。基礎・応用ともに7割以上の得点が必要な科目合格制です。
片方の科目だけ合格した場合はどうなりますか?
基礎・応用のうち片方だけ合格した場合、次回は残りの科目のみを受験料半額(11,000円)で受験できます。ATコースの受験可能期間は初回受験から4年間です。模擬試験で科目ごとの正答率を把握し、合格まで遠い科目に時間を寄せる戦略が有効です。
五肢択二は本当に多く出るのですか?
出題は基礎・応用とも80問120分で、五肢択一と五肢択二が混在します。出題内容レポートでは複数の受験者が「『2つ選べ』が多い印象」と報告しています。正確な出題比率は非公表のため断定はできませんが、五肢択二への対策は外せないと考え、模擬試験で反復しておくことをおすすめします。
この記事は一般社団法人ATネットワークが作成しています。JSPO公認アスレティックトレーナーの受験対策事業として、受験対策書籍の発行・オンライン模擬試験の実施・過去問解答予想の公開を行っています。
一般社団法人ATネットワーク
受験対策事業部
