結論から言うと、アスレティックトレーナー試験(JSPO-AT 新カリキュラムの理論試験)の難易度は、はっきりと上がっています。日本スポーツ協会(JSPO)の2025年度公式発表によると、新カリCBT理論試験の合格率は春18%・秋20%。旧カリキュラム時代の合格率67%とは、まったく別物の数字です。この記事では、JSPOが公表した合格率の実数をもとに「どのくらい難しいのか」「なぜ難しくなったのか」「どこが落ちやすいのか」を整理し、対策の入口までご案内します。
【一目でわかる】アスレティックトレーナー試験の難易度まとめ
細かい解説に入る前に、新カリキュラム理論試験(CBT)の難易度を決める要素を一覧にしておきます。「合格率」だけでなく「合格基準」「出題形式」まで見ると、難しさの輪郭がつかめます。
| 項目 | 新カリ理論試験(CBT)の内容 |
|---|---|
| 合格率(2025年度) | 春 全体18%/秋 全体20% |
| 合格基準 | 基礎・応用それぞれ7割以上の科目合格制(片方でも欠けると不合格) |
| 出題数・時間 | 基礎80問・応用80問(各120分) |
| 出題形式 | 五肢択一と五肢択二の混在 |
| 受験順序 | 実技確認テスト(全カテゴリー合格)→理論試験 |
| 受験可能期間 | ATコースは初回受験から4年間 |
ポイントは、難易度が「合格率2割前後」という結果の数字だけでなく、7割の科目合格制・五肢択二・実技を全カテゴリー通過した人の中での割合という複数の要因で成り立っていることです。以下で一つずつ見ていきます。
アスレティックトレーナー試験の合格率はどのくらい?
まず数字を見てください。2025年度のJSPO公式データによると、新カリキュラムの理論試験(CBT)の合格率は春が全体18%、秋が全体20%でした。一方、同じ2025年度でも旧カリキュラムの理論試験は全体67%。つまり同じ「アスレティックトレーナー試験」でも、新カリと旧カリでは合格率が3倍以上ちがうのです。難易度を語るうえで、まずこの前提を押さえておく必要があります。
| 試験区分 | 基礎 | 応用 | 全体 |
|---|---|---|---|
| 新カリ 2025春 | 18%(合格19/受験107) | 26%(合格26/受験100) | 18%(合格21/受験118) |
| 新カリ 2025秋 | 21%(合格35/受験169) | 33%(合格53/受験159) | 20%(合格36/受験180) |
| 旧カリ 2025年度 | 72% | 72% | 67%(受験1,375名) |
春から秋にかけて全体18%→20%とわずかに上がっていますが、いずれも「5人に1人前後しか受からない」水準であることに変わりはありません。受験者数も春118名から秋180名へと増えており、母集団が変わっても合格率が2割前後で安定している点は見逃せません。この数字がどう決まっているのかは、新カリキュラムの合格率を公式データで詳しく見た記事でも解説しています。まずは「新カリの理論試験は5人に1人しか受からない」——この体感を持っておいてください。
そもそもアスレティックトレーナー試験は「実技→理論」の2段構え
難易度を正しくつかむには、試験の全体像を知っておく必要があります。新カリキュラムでは、まず実技確認テストを全カテゴリーで合格し、そのうえで理論試験(CBT)に進むという順序になりました(旧カリは理論→実技の逆順)。実技確認テストは養成校で実施される形になっており、合格率として大きな数字が出て話題になるのは後段の理論試験です。
つまり、理論試験の合格率18〜20%という数字は「実技を全カテゴリー通過した人たちの中での」割合だと理解すると、難しさの質がより立体的に見えてきます。実技確認テストの中身は実技確認テストを解説した記事で詳しく整理しています。
アスレティックトレーナー試験の難易度を構成する4つの要素
「難しい」と一言で言っても、その中身は分解できます。新カリ理論試験の難易度は、次の4つの要素が重なって生まれています。
要素1:基礎・応用それぞれ7割の「科目合格制」
新カリの理論試験は、基礎・応用のどちらも7割以上の得点が必要です。片方が7割に届かなければ、もう片方が高得点でも不合格になります。得意科目で稼いで苦手科目をカバーする、という戦い方ができないのが、合格率を押し下げている大きな理由です。
要素2:「2つ選べ」の五肢択二
出題は五肢択一だけでなく五肢択二が混在します。1つは絞れても、もう1つで迷うと得点にならない完答形式です。旧カリの五肢択一に慣れた人ほど戸惑うポイントで、ここが知識量とは別の「形式の壁」になります。
要素3:基礎80問・応用80問という出題ボリューム
基礎・応用とも80問を120分で解きます。1問あたり1分半ほどで、五肢択二を含む設問を安定して処理し続ける時間配分も問われます。知識があっても時間切れを起こせば得点できないため、本番形式での演習量がそのまま難易度への耐性になります。
要素4:実技を全カテゴリー通過した人の中での2割
前述のとおり、合格率18〜20%は実技確認テストを全カテゴリー通過した受験者の中での割合です。すでに一定の準備をしてきた母集団の中で5人に1人、という数字だからこそ、「なんとなくの勉強」では届きにくいわけです。
実際に受験した方からも、形式面について次のような声が届いています。
解答は『2つ選べ』が多い印象です
——新カリキュラム受験者の出題レポートより
五肢択二は、選択肢を1つ絞れても、もう1つで迷うと得点にならないのが厄介です。この形式に特化した考え方は五肢択二の解き方の記事にまとめました。難易度の正体は「知識量」だけでなく「この解答形式への慣れ」にもある、と理解しておきましょう。
旧カリと新カリ、難易度はどれくらい違う?
数字で並べると差は歴然です。2025年度の旧カリ理論試験は全体67%(基礎72%・応用72%、受験1,375名)だったのに対し、新カリは全体18〜20%。合格率だけで見れば約3〜4倍の開きがあります。加えて、旧カリでは理論→実技の順だったものが、新カリでは実技確認テスト(全カテゴリー合格)→理論という順序に変わり、7割以上の科目合格制や五肢択二の導入といった形式面の変更も重なりました。
「旧カリの過去問だけ」で対策できた時代とは前提が違う、ということです。なぜ過去問だけでは足りないのかは過去問だけでは対策できない理由の記事で、試験構成・受験期間・合格率のちがいは新カリと旧カリの違いを比較した記事で一覧にしています。これから受験する多くの方は新カリ対象になるため、「新カリの難易度」を基準に準備を進めるのが正解です。
基礎と応用、どちらが難しい?科目別の難易度
科目合格制の新カリでは、「どちらが落ちやすいか」も重要な論点です。2025年度のJSPO公式データを見ると、合格率が低いのは基礎のほうです。
- 基礎——春18%(合格19/受験107)・秋21%(合格35/受験169)
- 応用——春26%(合格26/受験100)・秋33%(合格53/受験159)
春・秋ともに応用より基礎の合格率が低く、基礎が全体の合格率(春18%・秋20%)を押し下げている構図です。応用のほうが難しそうに感じる人が多い一方で、数字の上では基礎こそ油断できない科目だと分かります。実際、「1回目は基礎が落ちてしまった」という受験者の声も届いています。どちらか一方でも7割に届かないと不合格になるため、応用に時間を割きすぎて基礎を取りこぼさないバランスが大切です。
難易度が高い試験を、どう攻略するのか?
合格率18〜20%の試験に対して、やみくもに教科書を読み返すのは効率的ではありません。攻略の軸は「理解して覚える」ことと「新形式の問題に数多く触れる」ことの2つです。暗記だけでは五肢択二の「2つ目」を外します。逆に、出題の意図まで理解できていれば、初見の問題でも選択肢を絞り込めます。実際に合格された方も、次のように振り返っています。
しっかり知識をインして、暗記ではなく理解することの出来る説明文や解説は役立ちました。
——新カリキュラム合格者の声
1回目は基礎が落ちてしまいました。今回2回目で、しっかり対策して挑んで無事合格しました!!!
——新カリキュラム合格者の声
※これらは母数の小さい参考情報であり、合格率そのものを示すものではありません。ただ「1回目で基礎が落ちた」という声は、科目合格制の新カリで実際に起こりうる典型例です。数字の上でも基礎は春18%・秋21%と応用より合格率が低く、油断しやすい科目だと言えます。だからこそ、本番と同じ形式の問題で早めに弱点をあぶり出しておくことが、この難易度を越える近道になります。時間配分や五肢択二に慣れるための使い方は模擬試験の活用法を解説した記事も参考にしてください。
まずやるべきこと:新作問題で本番形式に慣れる
結論として、難易度の高い新カリ理論試験を突破する第一歩は「本番形式(五肢択二を含む新作問題)を数多く解くこと」です。ATネットワークでは、新カリキュラムの出題傾向に合わせたAT予想問題集を用意しています。スマホですぐ開ける手軽さも、合格者から好評でした。
ラインですぐ開ける問題はサクッとすぐできてよかったです。
——新カリキュラム合格者の声

よくある質問
アスレティックトレーナー試験の難易度は本当に高いのですか?
新カリキュラムの理論試験については、高いと言えます。2025年度のJSPO公式データでは合格率が春18%・秋20%で、旧カリの67%と比べて大きく下がっています。基礎・応用それぞれで7割以上が必要な科目合格制であることも、難易度を押し上げている要因です。
新カリと旧カリで難易度はどれくらい違いますか?
2025年度のJSPO公式データでは、理論試験の合格率は新カリが全体18〜20%、旧カリが全体67%で、約3〜4倍の開きがあります。新カリは実技確認テスト(全カテゴリー合格)→理論試験の順に変わり、科目合格制や五肢択二の導入など形式面も厳しくなっています。
基礎と応用は、どちらが受かりにくいですか?
2025年度のJSPO公式データでは、基礎が春18%・秋21%、応用が春26%・秋33%でした。数字上は基礎のほうが合格率が低く、油断しやすい科目と言えます。どちらか一方でも7割に届かないと不合格になるため、両科目をバランスよく仕上げる必要があります。
片方の科目だけ合格した場合はどうなりますか?
科目合格制のため、合格した科目は持ち越され、次回は残った科目のみを受験します。その際の受験料は半額の11,000円です。なおATコースの受験可能期間は、初回受験から4年間と定められています。
五肢択二とは何ですか?
5つの選択肢から正解を2つ選ぶ形式で、新カリの理論試験では五肢択一とともに出題されます。受験者からも「『2つ選べ』が多い印象」という声があり、1つだけ絞れても得点にならないため、この形式への慣れが難易度を左右します。
難易度が高い中で、何から対策を始めればよいですか?
まずは本番と同じ五肢択二を含む新作問題に数多く触れ、暗記ではなく「理解して解く」感覚を身につけることです。あわせて合格率の低い基礎を取りこぼさないよう、早めに弱点を洗い出しておくと安定します。模擬試験で時間配分や形式に慣れておくのも有効です。
この記事は一般社団法人ATネットワークが作成しています。JSPO公認アスレティックトレーナーの受験対策事業として、受験対策書籍の発行・オンライン模擬試験の実施・過去問解答予想の公開を行っています。
一般社団法人ATネットワーク
受験対策事業部
