結論から言うと、JSPO公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)は「通信教育・通信講座」では資格を取得できません。ネット上には「通信でATが取れないか」を探している方が一定数いますが、受験資格を得るルートは制度上2つに限られています。この記事では、日本スポーツ協会(JSPO)の公式ルールをもとに「なぜ通信では取れないのか」「では正しい道は何か」を整理し、その上で養成校や講習会に進んでいる人が独学で問題演習量を補うための考え方までご説明します。間違った講座にお金を払う前に、まず正確な情報を確認してください。
アスレティックトレーナーは通信で資格が取れる?
取れません。JSPO-ATは、通信教育や通信講座を修了しただけで受験資格が得られる資格ではないからです。理由はシンプルで、JSPOが定める受験資格の取得ルートに「通信教育」という選択肢が存在しないためです。たとえば「〇〇通信講座を受ければAT受験OK」とうたうサービスがあったとしても、それは受験資格そのものを与えるものではありません。受験資格は後述の2ルートでしか得られない——これが出発点です。まずここを誤解したまま費用をかけてしまうと、遠回りになってしまいます。
では受験資格はどうやって取る?2つの正規ルート
JSPO-ATの受験資格を得るルートは、大きく次の2つです。いずれも実際に養成過程を修了する必要があり、通信のみで完結するものではありません。
| ルート | 概要 |
|---|---|
| ① AT養成校に通う | JSPOが承認した専門学校・大学等のAT養成課程で学び、修了する |
| ② 競技団体の推薦を受けて養成講習会を受講する | 加盟する競技団体等の推薦を受け、JSPOの養成講習会を受講・修了する |
つまり、どちらのルートでも「通う/受講する」というプロセスが必須で、机上の通信教材だけで受験資格が発生することはありません。自分がこれからATを目指すなら、まずは「養成校に進学する」か「所属競技団体を通じて推薦・講習会のルートに乗る」かを検討するのが正しい第一歩です。
「通信で取れる」と誤解しやすいのはなぜ?
誤解が生まれる大きな理由は、資格取得のプロセスと「試験対策の勉強法」が混同されがちだからです。受験資格を得た後の理論試験対策そのものは、オンライン教材や自宅学習で進められる部分が確かにあります。そのため「自宅で勉強できる=通信で取れる」と受け取ってしまう方がいるのです。しかし繰り返しになりますが、受験資格の取得は養成校か講習会の2ルートに限られ、勉強法の自由度と受験資格の要件はまったく別の話です。ここを切り分けて理解しておくと、教材選びで迷いにくくなります。
養成校・講習会に進んだ人が「独学」で補うもの
正規ルートに乗ったあとで多くの受験者が直面するのが、理論試験に向けた問題演習量の不足です。授業や講習で知識をインプットしても、本番形式の問題を解く量が足りず得点が伸びない、という声は少なくありません。ここが、自宅での自主学習(独学)で補える領域です。
特に新カリキュラムの理論試験(CBT)は、基礎・応用とも80問120分・五肢択一および五肢択二が混在する形式で、単なる暗記では対応しづらい構成です。五肢択二の解き方にはコツがあり、演習を通じて慣れておくことが得点の安定につながります。当ネットワークの予想問題集は、こうした「養成過程で足りない演習量を補う」文脈で活用いただくものです。
- 受験資格——養成校 or 講習会(正規ルートで取得)
- 知識のインプット——授業・講習・公式テキスト
- 演習量の補完——自宅での問題演習(ここを独学で厚くする)
しっかり知識をインして、暗記ではなく理解することの出来る説明文や解説は役立ちました。
——新カリキュラム合格者の声
また、実際の出題傾向として「解答は『2つ選べ』が多い印象です」という報告が複数の合格者から寄せられています(出題内容レポートより)。母数が小さいため合格率のように扱うことはできませんが、五肢択二への備えが重要であることの参考にはなります。
理論試験の難易度はどのくらい?(新カリ公式データ)
結論として、新カリキュラムの理論試験は決して簡単ではありません。2025年度のJSPO公式発表によると、新カリ理論試験(CBT)の合格率は次のとおりです。演習量の確保が必要な理由が、数字からも読み取れます。
| 時期 | 基礎 | 応用 | 全体 |
|---|---|---|---|
| 2025年春 | 18%(受験107名・合格19名) | 26%(受験100名・合格26名) | 18%(受験118名・合格21名) |
| 2025年秋 | 21%(受験169名・合格35名) | 33%(受験159名・合格53名) | 20%(受験180名・合格36名) |
なお参考として、旧カリキュラムの2025年度理論試験は全体67%(基礎72%/応用72%・受験1,375名)でした。新旧で大きく差があり、新カリの難易度は数字の上でも上がっていることが分かります。受験資格を得たら、早めに演習へ着手しておくのが安全です。
※合格率の詳細や科目合格制の仕組みは新カリキュラムの合格率まとめもあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
アスレティックトレーナー(JSPO-AT)は通信講座だけで取れますか?
取れません。JSPOの受験資格は、①AT養成校(専門学校・大学等)に通う、②競技団体の推薦を受けて養成講習会を受講する、の2ルートに限られます。通信教育のみで受験資格が得られる制度はありません。
自宅で勉強すること自体はできますか?
はい、受験資格を得た後の理論試験対策は、自宅での問題演習など自主学習で進められる部分があります。「受験資格の取得ルート」と「勉強の進め方」は別問題であり、養成過程で不足しがちな演習量を独学で補うことは有効です。
科目に片方だけ落ちたらどうなりますか?
新カリの理論試験は科目合格制で、基礎・応用それぞれ7割以上が必要です。片方合格していれば、次回は残りの科目のみを受験でき、受験料も半額(11,000円)になります。なお受験可能期間は、ATコースの場合は初回受験から4年間です。
試験の順番は理論と実技どちらが先ですか?
新カリキュラムでは、実技確認テスト(全カテゴリー合格)→理論試験の順です。旧カリキュラムはこの逆の順番でした。詳しくは新旧カリキュラムの違いの記事で解説しています。
まとめると、アスレティックトレーナー(JSPO-AT)は通信では資格を取得できず、正規ルートは養成校または競技団体推薦の講習会の2つです。その上で、理論試験に向けた演習量は自宅学習で補えます。誤った通信講座に費用をかける前に、まず正しいルートを確認し、必要な演習を計画的に積み上げていきましょう。

ラインですぐ開ける問題はサクッとすぐできてよかったです。
——新カリキュラム合格者の声
この記事は一般社団法人ATネットワークが作成しています。JSPO公認アスレティックトレーナーの受験対策事業として、受験対策書籍の発行・オンライン模擬試験の実施・過去問解答予想の公開を行っています。
一般社団法人ATネットワーク
受験対策事業部
