この記事は新カリキュラムの理論試験を受ける方向けです。
旧カリキュラムの方はAT受験勉強方法のページをご覧ください。試験時期も出題科目も異なります。
📚 全6回シリーズ「試験まで逆算する新カリ勉強法」
①6ヶ月前(この記事) | ②5ヶ月前 | ③4ヶ月前 | ④3ヶ月前 | ⑤2ヶ月前 | ⑥1ヶ月前・試験月
新カリキュラムでAT受験を目指す、あなたへ。
「過去問が公開されていないから、何をどう対策すればいいか分からない」
そう感じていませんか。新カリキュラムの理論試験は年2回、春(5月中旬〜6月中旬)と秋(11月中旬〜12月中旬)に実施されます。この記事は試験まで約6ヶ月の時点を基準に書いています。
結論から言うと、過去問が無くても対策の立てようはあります。実際に2026年春を受験した方々の声を交えながら、その理由をお伝えします。
新カリは「科目合格制」です
新カリキュラムの理論試験は、基礎と応用の2科目に分かれています。それぞれ80問・120分。各7割以上の正答で、その科目が合格になります。
初回受験は両科目とも必須ですが、片方だけ合格すれば、次回は残りの科目だけ受け直せます(受験料も半額の11,000円になります)。
JSPOが公表している2025年度の合格率は、新カリキュラム全体で18〜20%。旧カリキュラムの67%と比べると、3倍以上厳しい試験です。
新カリは5人に1人しか受からない試験です。
ただし、正しい順番で早く始めた人ほど有利になる試験でもあります。
なお、理論試験を受けるには前提条件があります。実技確認テストの全カテゴリーに合格していること、そしてBLS(一次救命処置)資格が有効期限内であることの2つです。実技確認テストは在籍する養成校で実施されるため、この記事では扱いません。理論試験の対策に集中する前提として、実技側のスケジュールも早めに学校で確認しておいてください。
この6回で、何をお伝えするか
まず、シリーズ全体の見取り図です。試験までの残り月数ごとに、何をして、模擬試験で何%を目指すか——先に全体像を知っておくと、今やるべきことがはっきりします。
| 残り | テーマ | 目安得点率(基礎/応用) |
|---|---|---|
| 6ヶ月前 | 教科書1周・頻出度で優先順位づけ | — |
| 5ヶ月前 | 頻出度392論点を軸に演習開始 | 50%/55% |
| 4ヶ月前 | 基礎科目を優先的に固める | 58%/63% |
| 3ヶ月前 | 五肢択二対策・演習量を増やす | 65%/68% |
| 2ヶ月前 | CBT形式の模試で実力を測る | 72%/75% |
| 1ヶ月前 | 総ざらい・直前対策 | 78%/80% |
この記事(①)では、まず出題範囲全体の整理から始めます。
「基礎試験」と「応用試験」、それぞれの出題範囲
JSPOの公式資料によると、出題範囲は次のとおりです。
| 基礎試験 | 応用試験 |
|---|---|
| 人体の解剖と機能 | 安全・健康管理およびスポーツ外傷・障害の予防 |
| スポーツ科学 | コンディショニング |
| スポーツ医学 | リコンディショニング |
| JSPO-ATの役割 | 救急対応 |
| 検査・測定と評価 | アスレティックトレーナーとしての応用的知識 |
| アスレティックトレーナーとしての基礎的知識 |
このうち、教科書として体系立てて学べるのが9科目(人体の解剖と機能・スポーツ科学・スポーツ医学・ATの役割・検査測定評価・安全健康管理・コンディショニング・リコンディショニング・救急対応)。残る「基礎的知識」「応用的知識」は、これら9科目の内容を土台に実務全般を横断的に問う区分なので、9科目をしっかり固めれば自然とカバーできます。この記事の頻出度データも、この9科目を対象にしています。
「9科目、全部やらなきゃ」と思うと、それだけで心が折れそうになりますよね。
「過去問があれば」という声に、私たちが用意したもの
新カリキュラムの理論試験は、問題も解答も一切公開されていません。合格された方に体験談をお聞きしたところ、こんな声が届きました。
新カリキュラムで過去問が分からないのですごく困りました。
——新カリキュラム合格者の声
過去問が使えないぶん、「どこが出やすいか」を示すデータそのものが無い——これが新カリ受験生に共通する不安です。実際に、後輩の受験生に向けて次のようなリクエストも寄せられています。
新カリキュラムの過去問&予想問題があると指標になる
——2026年春 新カリキュラム受験者の声(「あったらよかった対策・教材」より)
そこで私たちは、新カリキュラムの受験生・合格者112名へのヒアリングをもとに、教科書全体を291の小単元に分け、それぞれに頻出度(★の数)を付けました。過去問の代わりに、この頻出度データを「地図」として使ってください。
最上位「★★★」の小単元にどれだけ論点が集まっているか、科目ごとの実数がこちらです。
| 順位 | 科目 | ★★★の論点数 |
|---|---|---|
| 1位 | 安全・健康管理およびスポーツ外傷・障害の予防 | 73 |
| 2位 | 人体の解剖と機能 | 72 |
| 3位 | スポーツ医学概論 | 60 |
| 4位 | スポーツ科学概論 | 52 |
| 5位 | コンディショニング | 49 |
| 6位 | 検査・測定と評価 | 37 |
| 7位 | 救急対応 | 26 |
| 8位 | リコンディショニング | 23 |
| 9位 | ATの役割 | 0 |

上位3科目(安全・健康管理/人体の解剖と機能/スポーツ医学概論)だけで、★★★全392論点のうち205、約52%を占めます。何から手をつけるか迷っているなら、この3科目から始めれば大丈夫です。
※「ATの役割」は★★★こそ0ですが、出題自体はされます。範囲が狭い科目なので、直前期にまとめて押さえるのが効率的です。
実際に出題されたテーマ(受験者の報告より)
頻出度データだけでなく、実際に試験を受けた方から寄せられた「出題テーマ」の報告もあります。すべてを網羅するものではなく、回によっても変わりますが、実際の出題がどんな粒度・分野なのかをつかむ参考にしてください。
基礎科目で報告されたテーマの例
神経解剖/JSPO-ATの歴史と海外との互換性/オーバートレーニング症候群/脳振盪/疲労骨折/新体力テスト/参考可動域・筋肉の起始停止/MMT(徒手筋力検査)/皮膚感染症/糖尿病/過換気症候群/運動負荷試験/TFCC(三角線維軟骨複合体)/バイオメカニクス(サッカーのキック動作・水泳・跳動作など)/胸椎の基本構造/腕神経叢/歩行分析/ピリオダイゼーション/仙腸関節/ATの役割(連携・インフォームドコンセント)/上気道炎/腰椎の解剖/下腿・足部の支配神経/高齢者のトレーニング
応用科目で報告されたテーマの例
Biodex(等速性筋力測定器)/方向転換動作/スキー・柔道のルール/反応時間/女性のスポーツ医学(ホルモン等)/競技別ルール/応急処置/ATルーム・メディカルステーションの設置/PMS(月経前症候群)/脳振盪のステージ/前十字靭帯損傷の評価/大腿四頭筋のトルク/グロインペイン症候群/外側肘障害/半月板の血行/頚椎損傷/止血の順番/ショック症状/熱中症の処置/暑熱対策・WBGT/高所・寒冷環境の生理学/ドーピング検査/リハビリテーション(メディカルリハとアスレチックリハの順序)/搬送方法
※これらは複数の受験者から寄せられた報告の一部です。回によって出題内容は変わるため、「必ず出る」という意味ではありません。ただ、頻出度データが指す科目(安全・健康管理/人体の解剖と機能/スポーツ医学概論)に、実際の報告も集中していることが分かります。
ある合格者の「6ヶ月間」
抽象的な計画より、実際に合格した方の歩みの方がイメージしやすいかもしれません。新カリキュラム対応の養成講習を受けたある方は、こんな道のりで合格しています。
実技は2回・筆記は1回の受験で合格できました。過去問(旧カリキュラム含む)は5年分程度、ハンドブックも一部活用し、過去問を10ヶ月前くらいから3回繰り返して9割の正解率で試験を迎えました。模試は3ヶ月前から始め、辛うじて3回解いて7〜8割の正解率で試験を迎えました。
——新カリキュラム合格者の声
ポイントは2つ。教材を繰り返し解く作業を10ヶ月前から始めていること、そして模試は3ヶ月前から取り入れていることです。今6ヶ月前だとしても、まだ十分間に合うタイミングだと分かります。このシリーズどおりに進めれば、この方よりさらに計画的なペースで対策できます。
6ヶ月前にやってはいけないこと
- いきなり問題集を解き始める——まずは教科書を1周して全体像をつかむのが先です。土台が無いまま問題を解いても、正解を覚えるだけの勉強になりがちです
- 9科目を均等に読み進める——頻出度の高い科目(安全・健康管理→人体の解剖と機能→スポーツ医学概論)から優先してください
- 1科目を完璧に覚えようとして時間をかけすぎる——1周目は「浅く広く」で十分。★★★の位置を把握することが今の目的です
6ヶ月前の到達目標
この時期は、点数を追うより「教科書全体を1周しながら、★★★に印を付ける」ことを目標にしてください。
優先度は上の表の順番どおり。安全・健康管理 → 人体の解剖と機能 → スポーツ医学概論の順に読み進めると、効率よく頻出範囲をカバーできます。
まだ何から使えばいいか分からない方は、まず全体像をつかめる1冊から。
→ AT Handbook 新カリキュラム対応版(教本の要点を手帳サイズに凝縮。通学・通勤時間で読める「持ち歩く教科書」です)
この★★★392論点を実際にどう使って勉強を進めるかは、次の記事で詳しく解説しています。
